社会契約論 byルソー

2010年9月8日水曜日 時刻: 16:33
ジャン=ジャック・ルソー(1712年6月28日 - 1778年7月2日)

-[前提知識]--------------------------------------------
<以前に、ルソーが発表した「人間不平等起源論」での主張>
 文明が発達すればするほど、社会の不平等は大きくなる。
 社会の最大の不平等は貧富の差である。
 法や国家体制は強者が自己の地位を守るために作られている。
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社会契約論 = 社会の不平等を解消するためにどうすべきか

国家の規制が存在する以前の状態(自然状態)では、人間は自由・平等である。
しかし、社会生活の中では、貧富の差などの不平等や不自由が生じてくる。

↑そのような弊害をなくすため↓

人間は常に人民全体の共通の利害のみを目指す意志を形成し、それ(一般意志)が国家を指導する。

一般意志 = すべての人民の人格・意志(自分自身の人格・意志も含む)

人民は、その一般意志にすべてのものを全面譲渡する社会契約を結び、
人民主権の政治体制を形成することで、自由・平等な社会を実現させることができる。

↑そのような社会での自由・平等とはどのようなも?
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[自由]
各人が一般意志に権利を譲渡しているので、その自由は制約された自由である。
×何をしてもよいという意味での自由ではない。

一般意志は自分を含めたすべての人民の意志であるから、その自由の本質は、
自発的に全員のために行動するような、道徳的価値の高まった自由(=自律)に変換されている。

一般意志 = 全員(自分自身を含む)
自分自身(一般意志)に服従し、自分自身(一般意志)が制約しているので、
そこには高度な自由が確保されている。

[平等]
一般意志と社会契約を結ぶ = 自己契約と同じ。
自分自身を含む共同体(一般意志)に譲渡する = 等価なものを自分が受け取る。
↑平等が実現される。また、自己契約のため所有権も確立されている。
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人民が常に共通の利害のみを目指す一般意志によって、
自由と平等を実現するという目的は達成されることになる。

このような社会は、人民主権が確立されていなければ形成できない。
すべての人民の合意から成り立つ民主的共和制の政治体制が必要。
 

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