存在と無 byサルトル

2010年9月10日金曜日 時刻: 0:03
ジャン=ポール・シャルル・エマール・サルトル(1905年6月21日 - 1980年4月15日)

人間の条件、人間とモノの違いとは何か?
=「こうあるべき」という本質や自己意識があるかないか。

モノは、ナイフであれば[切る道具]、コップであれば[飲む道具]といった本質があり、
実存(現実に存在)している。

しかし、人間には「こうあるべき」といった本質は存在しない。
本質より先に存在してしまっている。

人間は意識を持って自分と向かい合い、
モノの存在を問題とすることで存在している(対自存在)。
人間とは存在の根拠も方向性もない存在。

↑それゆえに↓

現実を超えて考えをめぐらし、自分の行動を選択するなどの、超越性を持つことになる。
人間は自分が何者なのか、どうなりたいのかを、他に頼らず自らつくり上げていく必要がある。

そのものだけで存在し、自己意識を必要としないモノ(即時存在)との違いである。


自由に行動できると言っても、その行動には責任がつきまとってくる。
本質が先立つモノは、責任を持つことなく存在することができるが、
本質がない人間は、行動のすべてに責任を負うことになる。

「人間は自由の刑に処されている」

自ら行動し、社会に参加する状況に身を置くことは、
自分だけではなく、周囲の人々、すべての人類にも影響を与える。
根拠も方向性もなく自由である人間は、自分の行動に責任を持って生きていく必要がある。
 


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