国家 byプラトン

2010年9月1日水曜日 時刻: 12:21
プラトン(紀元前427年 - 紀元前347年)

プラトンが構想した理想的国家(ポリス)は、
哲人王、軍人、労働者に分かれる階層社会的国家。
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(1)哲人王
真実を感覚ではなく理性で認識するイデア論を基に、
哲学者からの助言を受け自由に国家を統制する"知恵"の徳を持つ。

(2)軍人
戦争の際は、国家の勝利と安全のために勇敢に戦う"勇気"の徳を持つ。

(3)労働者
さまざまな生産を営み欲望を抑えて、分相応な生活を送る"節約"の徳を持つ。
(農民・職人・商人など)
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知識のない民衆が政治に対して影響力を持つことは、いずれ国家の衰退につながる。
イデア論に基づく道徳観と、自由な政策実践力を兼ね備えた王が、
哲学者の助言を受けながら、絶対的統治者として存在する理想国家を論じた。
その哲人王の下で軍人や労働者が能力や役割を認識して行動することによって、
知恵・勇気・節約の徳が調和され、全体として"正義"という徳が生じている国家が理想。

※イデア論
個別の事柄それぞれに、イデアという完全で普遍な永遠の真理体や本質が存在するが、
人間の世界とは別世界に存在するため、イデアは理性的にしか捉えることができない。
そのため指導者である哲人王は、最高のイデアとして存在する[善のイデア]の認識が求められ、
理想国家の現実に努めなくてはならない。


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